まさみは、ESSクラブの部室へ行って、他の部員と英会話の練習をした。まさみと会話をした部員は言った。
「すごいなあ。菊池さんは、本当にネイティブみたいな発音だね。アメリカへ言って英語だけ話してれば、現地の人と思われちゃうんじゃない。」
「いいえ、そんなことはないと思うけど、まあ英語学科だから、アメリカ人と会話をするぐらいのことはできないといけないと思っているわ。」
一方、その頃、空手同好会の練習場で、里香は準三のマンツーマンの指導を受けていた。
里香はかけ声を上げて、正拳突きの練習をしていた。
「うりゃあ!」
「あ、そのかまえは違うよ。もう少し、こぶしをまっすぐにかまえて・・・。」
里香は、その時、胸がどきどきするのを感じていた。
(関さんの前だとなんでこんなに胸がどきどきするんだろう・・・。)
里香は、そんなことを思っていた。
そうして、練習の後、準三は、ESSクラブの練習を終えたまさみと会った。
まさみは、言った。
「里香はどうだった。一生懸命練習していた?」
「ああ、俺は、右手がこんなだからしばらく練習はできないので、今日は特別に里香ちゃんにマンツーマンでコーチして上げたよ。彼女、真っ赤な顔をして、結構、緊張していたみたいだったな。」
「ふーん、赤い顔をしていたなんて、じゅんちゃんに見つめられて、どきどきしていたのかしら。」
「ひょっとしたら、惚れられたかもな。」
「ばか、里香もじゅんちゃんにはわたしがいることを知っているのに、そんなはずないでしょ。」
それから、準三とまさみは一緒に家に帰った。
翌日、昼休みに、まさみは里香や恵と食事をしていた。
まさみは里香に言った。
「里香、空手同好会って、面白そう?」
「うん、とっても楽しいわ。」
「昨日は、じゅんちゃんがマンツーマンで教えてくれたらしいわね。」
「うん、なかなかわかりやすく教えてくれてよかったわ。」
「練習、きつかったりしない?」
「そうでもないわ。関さんが、少しずつ練習量を増やしていけばいいと言っていたから。」
その時、恵は言った。
「わたしは運動神経が悪いから空手なんて出来ないけれど、まさみの彼、法学部の関さんがマンツーマンで教えてくれるなんて、里香がうらやましいわ。まあ、関さんはまさみの彼氏なんだけど・・・。」
それから、里香は、毎日、空手同好会の練習に行った。
毎日、準三が練習を見に来ていて、準三はよく里香にマンツーマンで指導をした。
「あの、今のけりは、もう少し、腰に力を入れたほうがいいよ。」
そんな準三のマンツーマンの指導を受けている時、里香は、いつも、胸をどきどきさせていた。
(いけない。また、胸がどきどきしてきたわ。どうやら、関さんが好きになってしまったみたい・・・。)
そして何日かたった金曜日の昼休み、まさみと里香は、二人で食事をしていた。
食事の途中で、まさみは里香に言った。
「里香、ちょっと2コマ目の授業を受けた教室に忘れ物をしてきたみたいだから、取りに行ってくるわ。すぐ戻ってくるから、かばんはここに置いておくわ。」
「何を忘れたの、まさみ。」
「化粧ポーチよ。」
「行ってらっしゃい、まさみ。」
「行ってきます。」
そうして、まさみは忘れ物を取りに行った。その時、里香は、テーブルのまさみがすわっていた前の位置に携帯電話が置いてあるのに気がついた。
(まったく、まさみったら、こんなことをしているから、化粧ポーチを忘れたりするんだわ。)
里香は、携帯電話を取った。そうして、いけないこととは知りつつも、メールを見てみた。
準三からのメールが書かれてあった。
「まさみ、週末のプレイのことについて相談しよう。午後5時ちょうどに、法学部6号館の校舎の裏のベンチにすわって待っている。その時間が都合が悪いのだったら、また連絡をくれ。」
里香は思った。
「プレイ?多分、セックスのことだろうけど、それにしてもセックスのことをプレイていうなんて、ちょっと変わっているわね。」
その時、里香はあることを思いついた。里香は意地の悪そうな笑顔を浮かべた。里香は、携帯をまさみのかばんに入れた。まもなく、まさみが戻ってきた。
「里香、ごめんね。やっぱり、化粧ポーチをさっきの教室に忘れていたわ。」
「見つかって、よかったわね。」
「ええ、これにはお気に入りの口紅を入れているから、なくしたら大変なところだったわ。」
そう、まさみは、準三が信州で買ってくれた赤い口紅をこの化粧バッグの中に入れていた。
そうして、昼休みが過ぎ、午後5時近くになった。準三は法学部6号館の校舎の裏のベンチにすわっていた。その時、校舎の角から、誰かがやってきた。
「まさみ!」と準三は言おうとしてやめた。やってきたのは、里香だったのだ。
「関さん、話があります。」
「何だい、里香さん。」
「わたし、関さんのことが好きです。」
そう言って、里香はいきなり、準三の唇にキスをした。準三は、いきなりのことでびっくりしてしまって、そのままでいた。すると、そこへ校舎の角から、まさみが現れた。
まさみは、呆然とした顔をして言った。
「じゅんちゃん!それに里香!じゅんちゃんと里香が何で、二人で、キスをしているのよ!」
そう言うと、まさみは、後ろを向いて、走り出した。
準三は、里香の唇から顔を離して言った。
「違う、まさみ!これは誤解だ!」
しかし、まさみはもうその声を聞いていなかった。まさみは目に涙を浮かべながら、走り去っていった。
(第4話へつづく)
[第1話→第2話→第3話→第4話]
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「すごいなあ。菊池さんは、本当にネイティブみたいな発音だね。アメリカへ言って英語だけ話してれば、現地の人と思われちゃうんじゃない。」
「いいえ、そんなことはないと思うけど、まあ英語学科だから、アメリカ人と会話をするぐらいのことはできないといけないと思っているわ。」
一方、その頃、空手同好会の練習場で、里香は準三のマンツーマンの指導を受けていた。
里香はかけ声を上げて、正拳突きの練習をしていた。
「うりゃあ!」
「あ、そのかまえは違うよ。もう少し、こぶしをまっすぐにかまえて・・・。」
里香は、その時、胸がどきどきするのを感じていた。
(関さんの前だとなんでこんなに胸がどきどきするんだろう・・・。)
里香は、そんなことを思っていた。
そうして、練習の後、準三は、ESSクラブの練習を終えたまさみと会った。
まさみは、言った。
「里香はどうだった。一生懸命練習していた?」
「ああ、俺は、右手がこんなだからしばらく練習はできないので、今日は特別に里香ちゃんにマンツーマンでコーチして上げたよ。彼女、真っ赤な顔をして、結構、緊張していたみたいだったな。」
「ふーん、赤い顔をしていたなんて、じゅんちゃんに見つめられて、どきどきしていたのかしら。」
「ひょっとしたら、惚れられたかもな。」
「ばか、里香もじゅんちゃんにはわたしがいることを知っているのに、そんなはずないでしょ。」
それから、準三とまさみは一緒に家に帰った。
翌日、昼休みに、まさみは里香や恵と食事をしていた。
まさみは里香に言った。
「里香、空手同好会って、面白そう?」
「うん、とっても楽しいわ。」
「昨日は、じゅんちゃんがマンツーマンで教えてくれたらしいわね。」
「うん、なかなかわかりやすく教えてくれてよかったわ。」
「練習、きつかったりしない?」
「そうでもないわ。関さんが、少しずつ練習量を増やしていけばいいと言っていたから。」
その時、恵は言った。
「わたしは運動神経が悪いから空手なんて出来ないけれど、まさみの彼、法学部の関さんがマンツーマンで教えてくれるなんて、里香がうらやましいわ。まあ、関さんはまさみの彼氏なんだけど・・・。」
それから、里香は、毎日、空手同好会の練習に行った。
毎日、準三が練習を見に来ていて、準三はよく里香にマンツーマンで指導をした。
「あの、今のけりは、もう少し、腰に力を入れたほうがいいよ。」
そんな準三のマンツーマンの指導を受けている時、里香は、いつも、胸をどきどきさせていた。
(いけない。また、胸がどきどきしてきたわ。どうやら、関さんが好きになってしまったみたい・・・。)
そして何日かたった金曜日の昼休み、まさみと里香は、二人で食事をしていた。
食事の途中で、まさみは里香に言った。
「里香、ちょっと2コマ目の授業を受けた教室に忘れ物をしてきたみたいだから、取りに行ってくるわ。すぐ戻ってくるから、かばんはここに置いておくわ。」
「何を忘れたの、まさみ。」
「化粧ポーチよ。」
「行ってらっしゃい、まさみ。」
「行ってきます。」
そうして、まさみは忘れ物を取りに行った。その時、里香は、テーブルのまさみがすわっていた前の位置に携帯電話が置いてあるのに気がついた。
(まったく、まさみったら、こんなことをしているから、化粧ポーチを忘れたりするんだわ。)
里香は、携帯電話を取った。そうして、いけないこととは知りつつも、メールを見てみた。
準三からのメールが書かれてあった。
「まさみ、週末のプレイのことについて相談しよう。午後5時ちょうどに、法学部6号館の校舎の裏のベンチにすわって待っている。その時間が都合が悪いのだったら、また連絡をくれ。」
里香は思った。
「プレイ?多分、セックスのことだろうけど、それにしてもセックスのことをプレイていうなんて、ちょっと変わっているわね。」
その時、里香はあることを思いついた。里香は意地の悪そうな笑顔を浮かべた。里香は、携帯をまさみのかばんに入れた。まもなく、まさみが戻ってきた。
「里香、ごめんね。やっぱり、化粧ポーチをさっきの教室に忘れていたわ。」
「見つかって、よかったわね。」
「ええ、これにはお気に入りの口紅を入れているから、なくしたら大変なところだったわ。」
そう、まさみは、準三が信州で買ってくれた赤い口紅をこの化粧バッグの中に入れていた。
そうして、昼休みが過ぎ、午後5時近くになった。準三は法学部6号館の校舎の裏のベンチにすわっていた。その時、校舎の角から、誰かがやってきた。
「まさみ!」と準三は言おうとしてやめた。やってきたのは、里香だったのだ。
「関さん、話があります。」
「何だい、里香さん。」
「わたし、関さんのことが好きです。」
そう言って、里香はいきなり、準三の唇にキスをした。準三は、いきなりのことでびっくりしてしまって、そのままでいた。すると、そこへ校舎の角から、まさみが現れた。
まさみは、呆然とした顔をして言った。
「じゅんちゃん!それに里香!じゅんちゃんと里香が何で、二人で、キスをしているのよ!」
そう言うと、まさみは、後ろを向いて、走り出した。
準三は、里香の唇から顔を離して言った。
「違う、まさみ!これは誤解だ!」
しかし、まさみはもうその声を聞いていなかった。まさみは目に涙を浮かべながら、走り去っていった。
(第4話へつづく)
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